うさぎ頭巾と鳩ばあさん  (作・ビッケ 監修・杉江)

うさぎ頭巾は 病気で寝込んでいる鳩ばあさんのお見舞いに行くことにしました。 森で 鳩ばあさんの大好きな木の実や 綺麗なお花を摘みました。 鳩ばあさんは 雑食で 何でも美味しい美味しいと 気持ちよく食べます。うさぎ頭巾は 鳩ばあさんのために 何でもかんでも せっせと摘みました。 バスケットいっぱいの色んなモノを摘んで、うさぎ頭巾は 森の奥の鳩ばあさんの家を訪ねます。 トントントン、ドアを叩くと インターフォンから 「どうぞお入り。」と声が聞こえました。小屋のドアは IoTで、鳩ばあさんがスマホでパスキーをタプしたら 開く仕組みになっています。 うさぎ頭巾は 鳩ばあさんの寝室に向かいました。ドアを開けると 鳩ばあさんが寝床で布団をかぶっています。 うさぎ頭巾が声をかけました。「鳩ばあさん、大丈夫?お顔を見せて。」 鳩ばあさんは 少しだけ 布団をずらして顔を出しました。 それを見て、うさぎ頭巾は聞きました。 「あら、大きなお目々ね。鳩ばあさんのお目々はどうして そんなに大きいの?」 鳩ばあさんは答えました。 「お前の 可愛いお顔がよーく見えるようにだよ。」 うさぎ頭巾が聞きました。 「鳩ばあさんのお耳はどうしてそんなに大きいの?」 鳩ばあさんは答えました。 「おまえの可愛い声が よーく聞こえるようにだよ。」 うさぎ頭巾が聞きました。 「鳩ばあさんのお口はどうしてそんなに大きいの?」 鳩ばあさんが 答えようと 口を開けた時、『赤頭巾ちゃん』のお話を思い出したうさぎ頭巾は とっさに 鳩ばあさんはニセモノで 自分を食べようと口を開けたと思い込みました。 そして、俊敏に「これでも喰らえ!」と.森で摘んできた 色んなモノを鳩ばあさんの開いた口に押し込みました。 森中で集めた色んなモノを 口に押し込まれた鳩ばあさんは 喉を詰まらせて苦しそうです。 そんな鳩ばあさんの姿にニセモノではないと気づいたうさぎ頭巾は 反省し、鳩ばあさんに お水を飲ませて、看病しました。喉のつまりも取れて、お腹もいっぱいになって気持ち良くなった鳩ばあさんは 言いました。 「私はね、可愛いおまえに いい声で ポッポーって鳴いてやりたいと 何度も練習し過ぎて こんなに口が腫れて大きくなってしまったんだよ。」 うさぎ頭巾は 鳩ばあさんの腫れた口に リップクリームを塗ってやりました。そして、2人で 相談して スマホで鳴らせる鳩時計の交換をして お互いに鳴らしあいっこをする事に決めました。 こうして 鳩ばあさんとうさぎ頭巾は お互いいつでも ポッポーと鳴らし合え、ほっこり♡を共有できるようになりました。 もう鳩ばあさんが練習し過ぎて口が腫れる心配もありません。 体の具合も絶好調になった鳩ばあさんはうさぎ頭巾のお誕生日には 口笛で お祝いする事もできるようになりましたとさ。めでたし、めでたし。



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HATO小説部

OQTA HATOの小説をみんなで書き、出版を目指す部活です。